水景の雑記帳

雑談多めの「深く考えない脊髄反射的な」ブログ。ほどよい息抜きに。

ハリポタ世界の「独特すぎる教育システム」をリアルな視点で紐解いてみよう!

 

 ハリーポッターシリーズではおなじみの

 英国No.1の魔法教育機関であるホグワーツ魔法魔術学校。

 

 魔法使いまたは魔女の素質のある子の11歳の誕生日に

 ホグワーツ入学許可証がふくろう便で送られてくることによって、

 入学が決定するというシステムが原作世界では描かれていました。

 

 

 しか〜し!!

 冷静に考えてみると、ちょっとおかしいシステムじゃないか・・・?

 

 

 考えてもみると、11歳って

 普通に考えれば、小学校入学の年齢をとうに超しており、

 なんだったら、もうすぐ中学生になるかなくらいの年齢。

 

 では、魔法界の11歳になるまでの少年少女たちはどう過ごしているのか。

 そんな疑問から生まれた考察のお話です。

 

 

 1 純血家・半純血での教育

  魔法族同士の子供は「純血」、魔法族とマグルの子は「半純血」と

  作中では表現されていましたが、ここでは両者まとめて「純血家」とします。

 

  純血家では、ホグワーツ入学がほぼ確定している状況であるため、

  子供が11歳に達するまでは、実家で家庭学習的な環境だったのではないか?

 

  むしろ、魔法族がマグル世界でいう「小学校」という概念を

  そもそも知らない可能性の方が圧倒的に高く、ホグワーツ以外の教育機関

  認知していないのではないかという視点から生まれた説。

 

  例えば、

 ・吟遊詩人ビードルの物語のような魔法界の御伽噺で読み書きを教える

 ・両親との会話から、ホグワーツの概要を聞かせてイメージ作りをする

 ・親が魔法界で仕事をしていれば、その話を聞かせて魔法界の情勢を教える

  こんな感じで、11歳になるまで、家庭内で最低限の教育をしていたのでは?

  

  実際、ロンなどは作中、事あるごとに「ママからそう聞いてた」という

  発言が、「死の秘宝」時の17歳時点でも確認されているため、

  やはり11歳になるまでの「家庭学習期間」で受けた両親からの教育の影響は

  かなり大きかった裏付けになっているのではないでしょうか?

 

  しかし、子供が11歳になるまで、教育機関に行かせないシステムは

  現代社会が抱える「両親共働き」「専業主婦はもはや激レア職業」という

  リアルな問題を考慮すると、かなり家庭内の負担は大きそうですが・・・。

  

 

 2 マグル家での教育

  両親共に魔法族ではない、「普通の人間」の間の子も魔法族になる

  ポテンシャルを秘めて生まれてくる場合も少なくはないようです。

 

  作中では、ハーマイオニー・グレンジャー、リリー・エヴァンスなどが

  マグル出身の魔法族として登場しています。

 

  おそらく、マグル生まれの子供は11歳になってホグワーツに入学するより

  以前に、普通に小学校に入学し、ごく普通の初等教育を受けているはず。

 

  しかし、11歳になるまで親も自分自身も「普通の人間」と思っていた

  ある日、突然、ふくろうが「ホグワーツ入学許可証」を持ってくるのだから

  さぁ、大変。

 

  そもそも、ふくろうが郵便を持ってくること自体が、異常であり、

  中身を開けても「ホグワーツ魔法魔術学校への入学を許可します」という

  訳のわからない内容なので、もしかすると「怪しい手紙」「いたずら」と

  ろくに取り合わないマグルもいたかもしれません。

 

  作中では、バーノンおじさんが毎日やってくるふくろうに怯える描写も

  あったくらいなので、リアルな目線で考えればこちらの方が自然かなと。

 

  逆に、ホグワーツに入学させることを決めたとしても、

  11歳ならば、日本で言えば小学5年生くらいの年頃。

  普通に考えれば、「他校への編入」という扱いになるでしょうが、

  いかんせん、「魔法学校」というマグル世界では存在しないはずの学校なので

  おそらく、「魔法学校」であることは伏せて、「一身上の都合での転校」

  といった理由で、ホグワーツに入学してきているのでしょう。

 

  ただ、ここで問題になるのは、「なぜ、ホグワーツ入学を許すか」です。

  普通のマグル目線で考えれば、そもそもが異常な出来事なわけですから、

  最低限、魔法が存在すること、ホグワーツなる「学校」が実在することを

  認めてくれる寛容な心の持ち主の親でなければまず入学すらできないでしょう。

 

  仮に、それだけ寛容な精神で魔法界に子供を送り出すことを決めたとして、

  次に不思議なのは、

  なぜ、ハーマイオニーは序盤で既にあれだけの魔法知識があったのか。

 

  作中でマグル出身者でメインキャラはハーマイオニーくらいなので、

  そうしても彼女基準での考察になってしまいますが、

  マグル出身者には、「参考資料」が添付されていた説を考えてみる。

 

  ホグワーツ側も、マグルにいきなり「ホグワーツ入学おめでとう」と

  言ったところで、まず理解すらされないであろうことは考えているはず。

  そこで、マグル出身者への配慮として、入学許可証に加えて、

  ホグワーツの概要、ダイアゴン横丁への入り方、参考図書などの情報を

  与えていたのではないでしょうか。

 

  そして、元々知識欲旺盛なハーマイオニーはこれらの「参考資料」を

  すぐに読破し、ある程度の魔法知識を入学以前に仕入れていたのでは?

  

  そうでも考えないと、ダイアゴン横丁に入るのがまず不可能ですし、

  ハーマイオニーがダイアゴン横丁に行ったら、まず真っ先に行ったのが

  「フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店」であり、立ち読みながらも

  様々な魔法界の本を読破していたとしても不思議ではないでしょう。

  

 

 3 ロンドンからめっちゃ遠い実家だったら・・・?

  今度も、主にマグル出身者視点での考察ですが、

  ホグワーツに入学することを決めたはいいものの、

  ロンドンのキングズ・クロス駅までめっちゃ遠い実家だったら?

 

  おそらく、純血の子は煙突飛行ネットワークで一瞬で移動できるでしょうが、

  マグル出身者からすれば、そんな移動手段など初めは知らないはず。

 

  イギリスも日本と同じ島国であり、面積こそ日本より少し狭いくらいですが、

  もし、実家が北アイルランド地方にあったとしたら、軽く500〜600kmは

  ロンドンまで長い旅をしなければならないはず。

 

  11歳の子供をいきなり、そんな大冒険に飛び込ませる親がどれだけいるかと

  考えれば、ロンドンまでは親も同伴するであろうことは容易に想像できます。

  となれば、ホグワーツに旅立つ前にかなりの冒険をさせられる子供たちが

  魔法界で「穢れ血」と馬鹿にされてもたくましく成長していけるだけの

  高いポテンシャルを秘めていることに関しては、納得がいきそうです。

 

  そして、ホグワーツ入学後に、煙突飛行ネットワークなる移動手段を知り、

  自分の実家近辺で使用可能なのかを調べ、

  「うわ、うちまだ来てないわ💦」「お前の家、田舎だな笑」

  なんて会話も同級生の間でされていたのかもしれません。

 

 4 未成年者魔法使用取締

  魔法界では、17歳を「成人」と定め、その年齢に満たない者、

  すなわち「未成年者」の魔法使用を制限するというシステムがあります。

 

  5巻の「不死鳥の騎士団」序盤で、

  ハリーがプリベッド通りにディメンターが出没した際に、

  守護霊の呪文を発動したことで、魔法省で尋問を受ける羽目になったのも

  この未成年者魔法使用取締のシステムの弊害です。

 

  作中で描かれていたのは、

  未成年者が使う魔法には「匂い」がついており、その「匂い」を感知することで

  学校外で魔法を使ってはならない未成年者であるかを判別しているそうです。

 

  しかし、成年魔法使い・魔女が同伴であれば、この取締には抵触しないらしく、

  どこから「アウト」なのかが少々、わかりにくいこのシステム。

 

  では、この取締のどこが不思議なのか。

  それは、魔法の暴発です。

 

  11歳に満たないものの、魔法の才覚を発揮してきている子供たち。

  純血であれ、マグルであれ、魔法を制御することは簡単ではないはず。

 

  純血の子なら、まだマシですが、

  マグルの子が魔法を暴発させてしまったら、かなりまずいはず。

 

  作中では、

  リリーが妹ペチュニアに「気味が悪い」と言われ、

  ダンブルドアの妹アリアナはマグルの少年たちからいじめられ、

  ハリーもダーズリー家で度々「ろくな人間じゃない」と言われています。

 

  さらに、孤児院時代のトム・リドル(ヴォルデモート)を訪問した

  ダンブルドアは、「ホグワーツでは魔法を制御する術も学ぶのだ」と

  説明していることから、やはり魔法の暴発は危険視されているようです。

 

  では、仮にロンのように、兄弟がたくさんいる純血家で、

  11歳になるまでの間にも魔法が日常となっている子供達はどうか?

 

  一応、成人同伴であれば、学校外で魔法を使ってもよいらしいですが、

  ホグワーツに入学すらしていない段階でもそうなのかは怪しいところ。

 

  つまり、ホグワーツ入学以前の子供には魔法を教えてはならないのでは?

  もし、魔法に関して教える時も

  御伽噺や冗談のような形で詳細を伏せているのではないか?

  

  その1つの例が、「賢者の石」時点でのロンのへんてこ呪文。

  お日様、雛菊、とろけたバター、このどぶねずみを黄色に変えよ!

 

  ロンはフレッドとジョージから教えてもらったと言っていたこの呪文。

  実際、この呪文が発動することはなく、見ていたハーマイオニーからも

  「その呪文、ちゃんと合ってるの?」と疑われる始末。

 

  ここで、読者的にはロンはちょっとお間抜けキャラか?という

  印象を持つわけですが、この描写の裏には魔法界の法令をちゃんと守っている

  フレッド・ジョージの倫理観が案外、しっかりしているのではないかと

  魔法界ならではの法律を通して見えてくるのではないでしょうか。