みなさんは、ご存知でしょうか?「忍びの地図」の秘密を。
実は、ハリーが「忍びの地図」をフレッド&ジョージから譲り受けた時、
この地図にニュート・スキャマンダーの名前があったのです。
これは、映画版「アズカバンの囚人」で確認されているのですが、
ニュート・スキャマンダーといえば、
作品的には続編、時系列的には過去の物語ファンタビシリーズの主人公。
彼は1897年生まれの魔法使いで、
元ホグワーツのハッフルパフ寮に所属する学生でしたが、
ファンタビシリーズで描かれているように、
グリンデルバルドの野望を阻止するために色々と奔走しており、
「アズカバンの囚人」時点での彼の年齢は推定100歳手前のおじいちゃん。
続編を執筆するにあたり、
作者が主人公の名前を「たまたま」ニュート・スキャマンダーにしたという
メタな可能性も十分にありそうですが、
ここでは、このニュートが彼だったと仮定して、
この時期のホグワーツに何をしに来たのかを考察してみます。
1 ニュートの偉業
実は、ハリー世代でニュート・スキャマンダーは、ちょっとした有名人です。
彼が執筆した「幻の動物とその生息地」という著書は、
ホグワーツの魔法動物飼育学の教科書に指定されるくらいの名著。
学生の頃から魔法動物に興味を持ち、人間よりも魔法生物との絆が固かったため
周りからは「変人」として見られていたニュートですが、
どうもファンタビを見る限り、ティナと初めて出会った時点で既に
この本を執筆する構想はあったようで、物語のラストでもティナに
「本を書き終えたら、必ず送るよ」と言っています。
2 そんなニュートがなぜ、ホグワーツに・・・?
グリンデルバルドとの戦いを終え、自らの年齢的にもそろそろ
平穏に余生を過ごしたいであろう100歳前のニュートがなぜ
ホグワーツに再びやってきたのでしょうか。いくつか説を考えました。
① バックビークの噂を聞きつけた説
まずは、最もニュートらしい説。
ハリーが3年生の頃、ハグリッドが魔法生物飼育学の教授となり、
バックビークという名のヒッポグリフの扱いについて授業をしています。
ただ、このヒッポグリフという生物は、魔法界でもかなりレアな種らしく、
それだけに学生たちにバックビークを見せるハグリッドはちょっと
誇らしげで興奮した様子で描かれていました。
しかし、
それだけでは、ニュートがホグワーツに来る理由としては薄いです。
ニュートの母親はヒッポグリフのブリーダーで有名な魔女だったそうで、
彼がヒッポグリフを見たことがないわけではないらしいです。
実際、「幻の動物とその生息地」にはヒッポグリフも記述されています。
しかし、「アズカバンの囚人」のストーリーをよく思い出してみると、
このバックビーク、マルフォイをしばいたことで処刑される予定でした。
ただでさえ貴重な生物なのに、ちょっとケガさせたくらいで処刑とは。
ハグリッドも愛着を持っていたことから、最後まで無罪を主張しましたが
その努力も虚しく、ルシウス・マルフォイと魔法大臣の決定は覆らず、
いよいよ処刑が確定してしまいました。
ここで、どうにもならない状況を打開するために
ニュートがホグワーツにやってきたのではないか。
というのも、そもそもニュートが魔法生物に興味を持ったきっかけは、
母親の仕事を間近で見ていたこと。
ヒッポグリフはニュートの中でもかなりお気に入りの動物だったはず。
そんな誇り高き生き物であり、ニュートの好きな生物が
訳のわからない言いがかりで処刑されると知ったら放ってはおかないはず。
せめて、校長のダンブルドアに文句の1つでも言いにやってきた。
そう考えれば、ホグワーツにいる理由としては納得できそうです。
② またダンブルドアに使われている説
次に、あり得そうな説。
この「また」というのがミソで、ファンタビシリーズを見れば
ニュートがダンブルドアにどれだけ使われているかがわかります。
ヴォルデモート撃破のために使い倒した人物がセブルス・スネイプだとすると
グリンデルバルド撃破のために使い倒した人物がニュートなのです。
若い頃にグリンデルバルドと血の誓いという魔法契約を結んだことで
ダンブルドアが直でグリンデルバルドに手出しできない状況の中、
ニュートを上手く利用してグリンデルバルドの懐を探らせる物語が
ファンタビシリーズなのです。
そして、時は流れ、今度はヴォルデモートと戦うダンブルドア。
「自分の方がわずかに勝っていた」と確信があったグリンデルバルドと違い、
学生の頃から徹底的にマークしまくっても闇の魔法使いになってしまった
ヴォルデモートことトム・マールヴォロ・リドル。
さらに、ある意味ではグリンデルバルドよりもタチの悪い彼。
ダンブルドアですら、どうやって撃破するか10年以上考えまくったほど。
ハリーが3年生時点では、ヴォルデモートは未だ復活はしておらず、
アルバニアの森でひっそりと魂の欠片状態でさまよっていたわけですが、
完全に死んだわけではないことは理解していたダンブルドアは、
いつかヴォルデモートが復活した時のために備えて、
古い知り合いのニュートを「また」利用しようとしたのではないか?
ダンブルドア本人が動けば、色々と目立つし、
騎士団や死喰い人の情勢の「真実」を知るスネイプにも勘付かれるかも。
そう考えると、目立たせることなく、騎士団とも死喰い人とも関係のない
ニュートをホグワーツに潜り込ませ、ヴォルデモートが学生時代に犯した
殺人事件(バジリスクで嘆きのマートルを殺害した件)などを調べさせ、
ヴォルデモートが分霊箱を本当に作ったのか、作ったとしたら何個あるのかを
知るきっかけを作るためにニュートがかぎ回っていたのかも。
③ 「生き残った男の子」に興味を持った説
魔法界の生ける伝説「生き残った男の子」の噂は、ハリー自身が思う以上に
有名であり、あの「死の呪い(アバダ・ケダブラ)」から生還したという
話はどの魔法使い・魔女にとっても衝撃的な事件だったはず。
あまりミーハー気質ではないように見えたニュートも例外ではなく、
グリンデルバルドとの文字通り命がけの戦いを潜り抜けてきた彼にも
ハリーの噂とその存在感の大きさは確かなものであって、
ニュートがハリーに興味を持ってホグワーツに戻ってきたという説。
何と言っても、あのグリンデルバルドよりも邪悪な闇の魔法使いである
ヴォルデモート卿に命を狙われて生還しているので、
彼にとってはある意味で「レアな生き物」に見えているはず。
そういう好奇心からハリーを探しにきているのではないか。
④ 人生の思い出巡りをしている説
あまりなさそう。でも、あっても良さそうな説。
100歳手前という年齢は、魔法使いや魔女にとっても高齢であり、
そろそろ人生の終着駅も見えて来るかなという頃合い。
そんな時期を迎えた人間が、何を思うか。
それは、そろそろ終わろうとしている自分の人生を振り返ること。
変人と言われながらも魔法生物やリタ・レストレンジと過ごした青春時代。
グリンデルバルドとの熾烈な戦いの中、愛するティナと出会ったこと。
マグルでありながら、彼が心を開くきっかけとなったジェイコブとの出会い。
昔から夢だった生物学者となり自分の著作を残すことができた高揚感。
思い返せば、彼の人生はアブノーマルでありながらも
彼でなければなし得なかったであろう様々な偉業や出会い、
そういうものに満ちたものであった。
ダンブルドアがいつかハリーに言った
「死を前にして、心の整理がついている者にとって、
死とは所詮、次なる旅への出発にすぎない」という言葉もあるように
ニュートも自分の死期を悟り、その心の整理のための旅に出ていたのでは?
ただ、
賢者の石を使って666歳まで生きていたニコラス・フラメル、
ヴォル撃破のために自分の死すら有効活用した115歳没のダンブルドア
ヴォル撃破後からハリーたちが中年になるまで校長のマクゴナガル先生など
ハリポタ世界のご長寿なご老人たちはいっぱいいるので、
100歳手前のニュートはまだ若い方ではありますが・・・。
いかがでしたか?
ファンタビの主人公ニュートが長い時を経て母校のホグワーツに
ハリーの時代に再び戻ってきた理由について、考察してみました。
2シリーズの主人公が知らずのうちに共演していたというのは、
ファンからすれば、たとえ後付け設定であったとしてもアツいですよね🎵