水景の雑記帳

雑談多めの「深く考えない脊髄反射的な」ブログ。ほどよい息抜きに。

どんな頭の出来してたらこんなの作れるんだ・・・?

今週のお題「名作」

 

 このお題を見てから何を書くかけっこう迷ってましたが

 やはり、名作といえば「パッヘルベルのカノン」一択!

 

 

 バイオリンの美しい旋律

 ラ〜ファ♯ソ〜 ラ〜ファ♯ソ〜 ララシド♯レミファ♯ソ〜

  ラ〜ファ♯ソ〜 ラ〜ファ♯ソ〜 ララシド♯レミファ♯ソ〜

 

 この部分はクラシックに詳しくない人でも知ってますよね。

 

 

 実は、この曲の正式名称は

 「3つのバイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ二長調」といいます。

 全くわけわからん題名でややこしいね...

 

 ジーグは置いておくとして、

 カノンは、「ある旋律を追いかけていく奏法」と一般的には言われています。

 

 小学校の音楽の授業で「かえるのうた」の輪唱とかしましたよね?

 

 か〜え〜るの〜う〜た〜が〜 き〜こ〜え〜てくるよ〜

  か〜え〜るの〜う〜た〜が〜 き〜こ〜え〜てくるよ

   か〜え〜るの〜う〜た〜が〜 き〜こ〜え〜てくるよ〜

 

 こんな感じで、一拍遅れで追いかけてくる感じのやつ。

 めっちゃ雑に言えば、これがカノンの一例です。

 

 譜面を見れば分かりますが、この「パッヘルベルのカノン」も

 旋律をどんどん追いかけていくような構造をしています。

 

 この曲があまりにも有名になった結果、

 今では、このような旋律の構造を「カノン進行」と呼び、

 クラシックはもちろん、ロックやJポップにも取り入れられています。

 

 最近の曲で有名なもので言えば、

 

 ・マリーゴールド/あいみょん

  麦わらの〜帽子がき〜みの 揺れたマリーゴールドに似てる

↪︎ この部分がカノン進行

 

 ・チェリー/スピッツ

  愛してる〜の響き〜だけで 強く〜なれ〜る気〜がしたよ

↪︎ この部分がカノン進行

 

 ・Pretender/Official 髭男dism

  君の運命の人〜は僕じゃない〜 辛〜いけど〜否めない でも離れ難いのさ〜

↪︎ この部分がカノン進行

 

 ・ポケモンシリーズのゲームBGM

↪︎ 全部とは言わないけれど、だいたいカノン進行

↪︎ 「ポケモンテーマソング」の冒頭とか、「チャンピオン シロナ」とか

 

 カノン進行を入れているかどうかが、

 ヒット曲になるかどうかの1つの目安なんて言われるくらい

 めちゃくちゃ音楽的に価値のある技術がカノン進行なのです。

 

 特に、楽器アンサンブルなどでは、

 カノン進行にすることで、より一体感が生まれるという理由から

 独自アレンジを加えて演奏したりすることもあります。

 

 運動会などでおなじみの「道化師のギャロップ」を

 ピアノ連弾とかピアノ+木琴とかでカノンっぽくすると楽しいらしいです。

 

 

 しかし、この「パッヘルベルのカノン」。

 今では、超超超〜有名な曲ですが、実は、いつ・どんな理由で作られたのかが

 よくわかっていないらしいのです。

 

 だいたい、クラシック音楽では、

 作曲者、作曲時期、作曲の経緯、当時の評価などの解説があるものですが、

 この曲に関しては、

 ヨハン・パッヘルベルという人が作曲したということ以外は、詳細不明です。

 

 一応、「バロック音楽」のジャンルに入っているので、

 おおよそ17〜18世紀頃のどこかではあるらしいのですが、

 作曲の経緯なんかについては、全く不明で、

 何かにインスピレーションを得たのか、突然降って湧いたのか、

 誰かに作ってくれと依頼されて作ったのか、何もかもがわかっていません。

 

 

 しかし、この曲が有名かつ人気な曲となった理由はいくつか考察があり、

 ・二長調だから、受け入れられやすかったのでは?

 ・カノン進行を演奏するのは、奏者の技量的にも比較的易しかったのでは?

 ・バロック時代の華々しさが想起されるからでは?

 などの考察があるようです。

 

 特に、二長調というのは、けっこう関係ありそうな気がします。

 

 二、ドレミで言えばレ、ABCで言えばDベースの

 長調、コードで言えばメジャーコードの組み合わせなので、

 全体的に「明るく、華やかで、快活なイメージ」が持たれる曲です。

 

 また、バイオリンで演奏する関係上、

 二(レ・D)ベースは、奏者にとってはけっこう楽で、

 3弦がこの音なので、開放弦で弾くこともでき、進行は割と容易。

 

 バイオリンに限らず、ピアノなどでも、

 子供、初心者の奏者にも発表会などでは、よく選曲されるくらいです。

 

 

 この曲が有名になったことで、「カノン進行」という言葉ができ、

 今では、どのジャンルの音楽にも欠かせない要素となっていますが、

 一体、ヨハン・パッヘルベルの頭の中はどうなっていたのか。

 どんな頭の出来をしていたら、こんな曲を思いつくのか。

 

 いつの時代にも、天才・鬼才と呼ばれる人はいるとは言いますが、

 まさに鬼才とはこういう人のことを言うんだろうと思います。

 

 

 ただ、個人的には、カノン進行の魅力は、

 「波に揺蕩うが如き、躍動感」だと思います。