毎日のようにニュースを賑やかしている
「政治とカネ」の問題が国民感情を自民党から離反するように働いたのだろう。
しかし、よく思い返してみると、
少なくとも私が物心ついた時から「政治とカネ」の問題が
指摘されなかった時期は全くといって良いほどになかったように思う。
確かに、
今回の政治資金の裏金・中抜きは、脱税という犯罪行為であるため、
非常に反感を買うのは当然のことであろう。
しかし、私が違和感を感じるのは、
ある政党・政治家がヘマをしたら、すぐに別の政党・政治家に乗り換えるのが
日本国政選挙で往々にして起こりうるということ。
民主政治において、
国民と政治家との確固たる信頼関係が前提となっている。
その信用を裏切るような行為を、国民に仇成す政治家を許してはおけぬという
感情は分からなくはない。
しかし、問題は、その信用を裏切られたと国民が感じた時。
例えば、自民党に投票していた人がいたとして、
件の裏金問題を理由に自民党への信用がなくなったとする。
では、次の総選挙でその人はどこの政党に投票するのだろう?
岸田首相の言う「再発防止に努める」という言葉をもう一度信じるのか。
自民党は信用ならんと、立憲民主党等の次点の大規模政党に投票するのか。
あるいは、政治に対する不信感から、投票自体を棄権するのか。
人によって、様々な考えがあるだろうが、
今回の補欠選挙の結果を見るに、自民党への信頼は失墜しているのだろう。
それなら、それで良い。
しかし、立憲民主党に投票した人は、本当にこの政党を支持しているのだろうか?
もちろん、実際に支持しており、今後も期待している人もいるだろう。
ただ、問題は、日本の選挙において、
「その政党・政治家に対する信頼・期待」から投票をするという感情が
非常に希薄ではないかということ。