私は小説を読むのが好きで、けっこうな数の作品を読んできました。
その中でも、唯一、私を泣かせた本を紹介します。
『君は月夜に光り輝く』 佐野 徹也著(メディアワークス文庫)
あらすじをざっくり説明すると、
「発光病」という不治の病に侵された高校生の女の子、渡良瀬まみず。
入院生活が長く、学校にもまともに行けない彼女。そんな中、担任から
「使い」を頼まれた主人公岡田卓也。会ったこともないクラスメイト。
しかも不治の病に罹っている人にどんな顔で会えば良いのかととまどいつつも、
彼女は意外にも明るくて、「また遊びに来てくれる?」と無邪気な顔をする。
そして、彼女は卓也に「やりたいことノート」なるものを見せる。
入院中の自分には普通の高校生の青春はおくれない。だから、せめて
青春期に「したいこと」をリストにまとめて、卓也にその代行をさせ、
体験談を聞いて自分が経験したことにするというもの。
バイトがしたい、遊園地に行きたい。バンジージャンプがしたい。
そんな「何でもない願い」を卓也は叶えていくうちに、2人は惹かれ合う。
そうして、「したいことリスト」もだんだんと埋まってきて、ふと卓也は
思う。「彼女の願いはほとんどが叶った。でも、それは、彼女の命の限界が
近づいていることも同時に意味しているのだ」と。
次第に、容体が悪くなり、もはや話すことも歩くこともできなくなるだろうと
察した彼女の「最後の願い」とは?
こんな感じのあらすじです。
あまり書きすぎるとネタバレになるので、深くは言いませんが、
私が泣いたポイントは「渡良瀬まみずの最後の交信」でした。こんな演出、
ありかよ〜〜という感じ。
映画化もされたので、知っている人も多いかと思いますが、まだの人はぜひ。