水景の雑記帳

雑談多めの「深く考えない脊髄反射的な」ブログ。ほどよい息抜きに。

モノには魂が宿る。そんなお話。涙腺崩壊必至!!

お題「大好きな絵本は何ですか?」

 

 「ハルカと月の王子様」という絵本。

 YOASOBIさんの「ハルカ」という曲の元ネタになったとも言われているこの絵本。

 

 

 ざっくりしたあらすじは、こんな感じ。

 

 始まりは、当時14歳だったハルカという少女が、とある雑貨屋でマグカップ

 手に取るところから。長いこと「売れ残り」だったとあるマグカップ

 というのも、そのマグカップは陶器製でちょっと重い。今日、陶器製の

 マグカップなど人気がないし、カップに描かれていたのは「月の王子様」の絵柄。

 かの有名な「星の王子様」のパチモノと揶揄される始末。

 そんな「自分の価値のなさ」にすっかり自信をなくし、「もういいや」と諦め

 モードだったところを、たった一人だけ、ハルカという少女が「これ、好きかも」

 と言ってくれた。「月の上に王子様の絵なんて、おもしろい」と言ってくれた。

 「かわいい」ではなく「おもしろい」。それが初めてくれた「自分の価値」。

 それ以来、ハルカはお気に入りのマグカップとして、日常的に使っていく。

 それをマグカップは、ハルカの成長と共に見守っていく。

 必死に受験勉強して、合格した。高校で好きな人に出会った。友達と笑い合った。

 

 大学進学を機に、一人暮らしをすることになったハルカ。やはり、初めての

 経験ということもあってか、ホームシックに。それでも、マグカップだけは

 「ボクがついてる」とエールを送る。その後も、ハルカを見守り続ける。

 初めてできた彼氏。でも、浮気されてフラれた。おそらく、彼女の初挫折。

 大学卒業し、就職して、激務に追われる彼女。疲れて眠ってしまう彼女。

 でも、いつもマグカップは「ハルカ、ファイト!」とエールを送り続ける。

 

 そして、心から愛せる男性に彼女は出会った。

 「おめでとう、ハルカ!」

 でも、現実は残酷だった。結婚した男性との赤ちゃんを授かるも、流産して

 しまい、人生で最も辛い挫折・絶望をするハルカ。

 それでも、マグカップは「ファイトだ!負けるな!ハルカ!」と応援する。

  

 そして、それから1年。新しい命が誕生し、ハルカも1児の母に。名はヒロキ。

 マグカップが見守る大切な人がもう1人増えた瞬間だった。

 そんなある時のこと。マグカップは、ヒロキのお気に入りになり、ヒロキが

 ジュースを飲んでいた時のこと。ソファーから落ちそうになりバランスを崩し、

 転んでしまった。そして、マグカップは割れてしまった。

 ヒロキは、「こわれちゃった。ごめんなさい」と言い、泣きながら割れた欠片を

 集めようとする。それを「危ないからさわっちゃダメ」と諭すハルカ。

 でも、マグカップはちょっとだけ誇らしかった。だって、ハルカの一番大事な

 ヒロキに自分の破片でケガさせずに済んだから。

 

 あの日、ハルカに雑貨屋で見つけてもらってから、喜怒哀楽、いろんな感情を

 側で見てきた。本当に色々あったけど、ハルカの一番大事なヒロキがいる今なら、

 自分がいなくても、きっともう大丈夫。だから、泣かないで、ハルカ。

  「ボクはこれからも、月の上で、一番近くで、ずっと見守っています。

   愛してるよ。             月の王子様より」

 

 

 長くなりましたが、こんな感じのお話。

 主人公がまさかの「マグカップ」という非生物視点!!

 絵本の世界なら、キツネとかクマみたいな動物視点がありがちではあるものの、

 マグカップ視点というのは、かなり斬新な設定で驚きでした。

 

 しかも、このマグカップ、妙に「生き物らしさ」がリアルに描かれていて、

 普通に考えれば、仮に、マグカップに意思があったとしても絶対に伝わらないはず

 なのに、それでもハルカにエールを送り続けるマグカップ

 伝えたいのに、伝わらないというもどかしさと戦うのかと思いきや、ハルカも

 マグカップを大事に大事に使い続け、時に孤独を感じた時などには「王子様」

 なんて呼んでマグカップに語りかけるシーンもあり、実はハルカにも十分に

 伝わっていたのだと理解するマグカップ

 そして、ヒロキが転んでしまって、自分が割れても、「ケガさせずに済んだ」と

 ちょっぴり誇らしげという感情も表すのも、「人間くささ」があって好きです。

 

 マグカップが割れてしまえば、もはやどうあがいても廃棄するしかない。

 それは、ハルカとのお別れを意味するのに、「きっと、もう大丈夫」と

 自分がいなくとも十分にハルカは人に愛され、人を愛して愛に包まれている。

 そんなハルカを絵柄のように「月の上から見守っています。愛してる」という

 最後のマグカップの思いは、果たしてハルカに届いたのでしょうか?

 きっと、そうに違いないと私は思いたいです。