水景の雑記帳

雑談多めの「深く考えない脊髄反射的な」ブログ。ほどよい息抜きに。

下手な怪談より怖い!?閉鎖病棟

 

 たまには、真面目な話を。

 閉鎖病棟って入ったことありますか?私は、ありますよ。

 見舞客としてだったらまだ良かったんですが、残念ながら患者として。

 

 一応、軽く説明すると、閉鎖病棟とはその名の通り「閉鎖」された入院施設。

なぜ、「閉鎖」するか?それは、患者自身または他人に危害を及ぼすおそれの

ある患者を入院させるから。

 私は、昨年6月にうつ病と診断され、現在も休職中です。こう言っては、

他の方に失礼かもしれないですが、「普通のうつ病」だったらまだましでした。

私が閉鎖病棟にぶち込まれた理由。それは、自傷行為

 うつ病の診断を受ける前、実は私、失踪していたんです。が、その時の記憶は

なく、唯一覚えているのは、視界が真っ赤に染まり、頭に霧がかかったような

感覚がしたことだけ。後から聞いた話では、保護されるまで1週間行方不明。

そして、保護されてみると腕や身体に無数の切り傷が。まぁ、いわゆるリスカ

ってやつですね。

 これが原因で、精神科の閉鎖病棟にすぐ入院となったのですが、今でも

思うのは、怖いところだったなと。

 一応、病棟内は病室があって、廊下があって、トイレや洗面所があってと

普通の病棟と変わりないのですが、他のフロアに続くエレベーターや階段の

扉は常に施錠されていて、病棟内から出られないようになってます。

 そして、比較的「ましな」患者さんは相部屋らしいのですが、私が入ったのは

「やばめ」な患者を収容する個室。個室といっても、6畳くらいの広さに

ベッド、鉄格子付きの窓に部屋の中にトイレとまるで刑務所のような部屋。

あとは、天井に監視カメラ。「やばい」患者を入れるのだから監視くらいはそりゃ

しますよね。

 でも、この部屋、違和感があったんです。普通の入院施設にはあって然るべき

ものがない。何だと思いますか?

 答えは、お布団。私は、初めは「入院してすぐだから、まだ手配できてないん

だろうな」と思っていたのですが、日が暮れても布団を持ってくる様子はない。

さすがにおかしいと思い、看護師さんに「布団ください」と言ったんです。

6月なので、布団がなくたって寝ようと思えば寝られますが、やっぱり布団くらい

欲しいですよね。でも、衝撃的な言葉が・・・

 「あなたは、死にたいと思ってますか?」と聞いてきたんです。

 そんなこと突然言われたら、「ん?」ってなるでしょう?だって、「布団くれ」

って言っただけで「死にたいか?」って意味不明すぎるでしょ?

 何かの聞き違いかと思い、もう一度「布団」と言うと、やはり「死にたい?」と。

だいぶ何言ってるかわからないです状態。「なんで?」と聞くと、「自傷行為

するような人に布団なんか与えたら、首を吊られてもおかしくない」ですって。

 そこで、初めて私は「自分の精神状態のやばさ」に気づいたのでした。自傷した

記憶はない。でも、その痕があるってことは、そういうことかと。しかし、何とか

説得して布団をゲット。あとは寝るだけかなと思っていると、お薬タイム。

 これも偏見でしょうけれど、精神科の薬ってなんか怖いイメージないですか?

しかも「これは〇〇に効く薬だよ」とかの説明はなし。ただ「これ飲んで」だけ。

でも、意外とその時の私は冷静になっていて「もし、これが毒だったとしても別に

いっか」と思い服用(そう考えている時点で、冷静ではないか・・・)。

 でも、本当の地獄はここからでした。

 というのは、ここが「閉鎖病棟」ということの意味がわかっていなかったんです。

消灯時間になり、暗闇の中、一人でベッドに横になっていると、遠くからは誰かの

絶叫する声。近くからは誰かが啜り泣く声。そして、もう一つ思い出したのが、

数時間前に説明されたあること。それは、「この個室は鍵がない。だから、他の

患者が入ってくることがある。そこで、貴重品なんかが盗られたとしても責任は

負えない」ということ。実際、他の患者が夜中に乱入してくることは割とよくある

らしいです。つまり、「ここには、まともな人は誰もいない。自分さえも」という

こと。

 そういう怖さの他にも、割れるような頭痛+握りつぶされるような頭痛とか、

未だに自分が「なぜ、ここにいるのか」理解が追いつかないといった理由で、

眠れるはずもなく、両耳を押さえて周りの音を聞かないようにして布団に潜った。

そんな一夜を過ごした私です。

 

 今は、病院も変えて、処方薬も色々と試してみて「大丈夫そうだな」と思える

医者と出会えたので、こうしてブログに書き残せるくらいには回復してきました。

が、実は、うつ病ってこの「回復期」と呼ばれる時期がリスクが大きいとか。

というのも、「早く治したい」「もうこんな経験したくない」と気持ちは焦るのに

それに身体が追いつかない。そのギャップに絶望し、逆戻りするケースもあるらしい

です。

 確かに、私もそういう気持ちは当然ありますし、実際、身体の方はまだまだ

稼働率は低いまま。こんな状態では、仕事に復帰するのもまだ無理です。でも、

こう考えるようにしています。

 「このうつ病によって、過去の私は死んだ。今は新生した私だ」と。

 私がこんな状態になったことで、いろんな人たちに迷惑をかけた。その事実は

消せない。でも、「過去の、健康だったベストコンディションの自分」との比較で

「病気になってしまった今の自分」を評価するのは意味がない。過去ではなく、

明日のためにどうやって今日を生きるか。それを考えた方が建設的だろうと。

 うつ病って、原因は人によって様々ですが、私の経験からすれば、

「十分に人を死に追いやる病」であることは確かだと思います。一度、私は

その「ライン」に足を踏み入れようとした。でも、まだ生きてる。

 もしかしたら、仕事に戻った途端に、生き恥をさらすことになるかもしれない。

責められるかもしれない。でも、そんなことは「新生した私」にはもはや敵では

ない。「だったら、どうした?」と突き返せる自分がいる。もう失うものがない

人間は、これほど開き直ることができるんです。失ったなら、壊れたなら、

あとは直せるものは直して、得られるものは得る。それだけ。それが「過去の

自分」とは違う姿の自分になろうとも、関係ない。

 ある意味、うつになって私が得た数少ない新たな強みかもしれません。